箱根は毎年のべ1億数千万人が訪れる関東屈指の温泉地であるほか、湯河原の温泉街、緑深き丹沢・大山、江の島や三浦海岸まで、レジャー産業の中核となるスポットが県内に複数あります。歴史的な観光資源の多い鎌倉は安定的した集客を誇り、「夏」や「海」の代名詞として若者が集う“湘南”もまた、神奈川を代表する観光地です。
このような自然の恩恵を受けるのはレジャー産業だけではありません。農家は少数ながら、神奈川県内はおろか大消費地・東京の「天下の台所」としての機能を果たしています。ナシやミカンの産出額は大きく、「足柄茶」もブランドとして確立されています。海に目を向ければ、遠洋漁業や大型定置網などが盛ん。中でも三崎漁港はマグロ漁の拠点として知られ、その規模は全国屈指です。また、海で忘れてならないのは貿易。川崎港や横須賀港も輸出入の要所として日本経済を支えているのです。

「自動車産業の神奈川」から、幅広い分野での「先進技術の神奈川」へ

神奈川県の沿岸部は貿易の要所であると同時に、京浜工業地帯として高度経済成長を支えてきた原動力でもあり、横浜市や川崎市の臨海部は今もなお工業が盛んです。多くの自動車メーカーが研究施設などを設け、神奈川県の主力産業としての性格を色濃くしています。また、航空宇宙産業をはじめ、IT・エレクトロニクス関連、半導体関連、バイオ関連など、さまざまな分野の研究開発拠点、さらには大学の研究拠点まであり、さらには、最先端の技術を持つ世界的企業も、製造や研究開発の拠点として数多く進出。今後、未だ見ぬ先端技術の創造によって日本の産業を活性化させる大きな可能性を感じさせてくれるのが神奈川県なのです。そのひとつが、「さがみロボット産業特区」。これによって神奈川県の基幹産業としてロボット産業が大きく成長していくことが見込まれています。